茶畑通信 第30号 平成18.3
みなさん、こんにちは。
今年は、桜の開花も平年より1週間位早いということで日本人が好きな花見ももうすぐ出来ますね。しかしこのところ春の風は強く、外にいると寒さを感じますね。朝晩と日中の気温の差が大きいので体調管理にも気を使う季節ですが、いかがお過ごしでしょうか?
最近の当園作業としましては・・・今年の1番茶(新茶)は桜の開花が早いのと同じで平年より1週間位早く始まりそうです。なので、よく、芽の様子をうかがいながら、作業をしていかなければなりません。芽だし肥といわれる肥料、ボカシ肥料も効くように早めに入れます。
ピッチャーが投げた球をキャッチャーミットに入ってからバッターが空振りするようなことにならないようにします。
これだけ、早く芽が成長すると怖いのが遅霜です。遅霜にあうと一夜にして1つの茶畑が駄目になってしまう事も・・・風のない、晴れた夜は放射冷却で遅霜が降りる心配があります。この時期、夜になると茶畑に立っている高さ5mほどの柱の上に大きな扇風機をつけた、防霜ファンが一定の温度に下がると、上の暖かい空気を吹き下ろし霜を防ぐ大活躍をします。防霜ファンが回ると空気が動き、家の外が寒くなるので、嫌だなーと思うこともありますが、防霜ファンのお陰で遅霜被害はかなり防ぐ事ができるようになっています。なかには防霜ファンがない畑もありますので祈る気持ちでこの時期は心配しています。
実生 のお茶の芽生え少し暖かくなり茶畑の畝間を見ると昨年、秋に落ちた茶の実から芽が出ていました。殻を割り持ち上げ、土に根を挿す力強さがあります。昔は、茶の実を拾って畑に蒔き栽培していましたが今では、優良品種の枝を挿し木して苗を作るのが一般的です。なので、1つの畑に植わる茶の木は、すべて分身で同じ時期に同じ芽を摘むことができるのです。昔やられていた茶の実での実生繁殖では必ず雑種が生まれるので茶の木1本1本が違う性質をもち、芽の出る時期が揃わないなどお茶にする時に難しいのです。しかし、実を割り土に真っ直ぐ根ざした根は地中何mも成長するという目を見張るところがあります。
今年の1番茶で挑戦したい事
今年の1番茶では、少しだけの量ですが、かぶせ茶といって玉露のように芽を摘みとる前に日光を遮ることで渋みの少ない旨みに富んだお茶を作りたいと思います。玉露との違いは遮光の度合いと期間です。玉露は摘みとる前の4週間以上、かぶせ茶は摘みとる前の2週間位、薄暗い環境にします。今後の上級茶の品質を上げるためにブレンドの材料になればと思っています。真っ暗な中育ったモヤシは柔らかく、日の光りを浴びて育ったモヤシは硬い。それと同じで日の光りを浴びないとお茶もまた違った物となります。抹茶や玉露、かぶせ茶などは日の光りを断つことで独特な味と香りとなっているのです。
とにかくいろんなことに挑戦したい、美味しいお茶を作りたいと思います。頑張ります!